お茶の時間

毎日のちいさな出来事を綴ります

観劇記録 ガラスの動物園

昨年秋からチケットを取っていて

楽しみにしていた

「ガラスの動物園」





まさか公演の時にこんなことに

なっているとは思わずに…。

この時期に観劇して

よいのか躊躇しましたが

シアタードラマシティへ

行ってきました。


劇作家 テネシー・ウィリアムズの

自伝的作品

1930年代のアメリカ

アパートの一室で母と姉弟、

弟の友人と4人だけの登場人物。


静寂のなか、役者さんの

台詞と表情に集中できました


トム(岡田将生さん)


ドラマで見せるコミカルな

演技もとても好みだけれど

今回の舞台のように、閉塞感を

抱えつつ、時にはその感情を

爆発させるような演技や

語り手とトムを見事に演じ分けて

素晴らしかった。

台詞のひとつひとつも

聞き逃さないように集中しました。

本当に若手実力派俳優さん。

表情や話し方も繊細で優しいトム。

青白い光の中で佇まいも美しくて、

忘れられない舞台になりました。



舞台が終了し、トムから

岡田将生さんに戻る瞬間の

素の表情が忘れられないです。


ローラ(倉科カナさん)


ガラス細工の動物たちと

過ごす時間が唯一の拠り所で

ある内気なトムの姉。

可愛らしく儚げな感じでは

あるものの、悲しい結末へ

向かう演技は、どうやって

感情をコントロールしてるの?

と思われる涙と入れ込みように

圧巻でした。


ジム(堅山隼太さん)


トムの同僚でローラがハイスクール

時代に淡い恋心を抱いてた相手

普通の好青年だと思ってたら

なかなかの食わせもので。

第2幕では この方が登場し、悲しい

結末へと一気に持っていかれた

感じでした。

はっきりとした良く通る声で

台詞も聞き取りやすかったです。


アマンダ(麻実れいさん)


元 宝塚雪組トップスターさん

昔、現役時代に拝見して以来の

ターコさん。

あの膨大な台詞、滑舌の良さに

驚きました。

華やかな過去が忘れられず

子供たちに過度な期待をする

傲慢なアマンダ。

ターコさんの迫力は半端なかったです。

どうしようもない毒親では

あるものの、時折見せる

チャーミングな表情が素敵でした。

やはり母親役に一番感情移入して

観てしまいました。

麻実さんの舞台をまた観劇出来て

本当に幸せです。


国や時代が違っても共感する普遍的な

ストーリーで、家族の崩壊して

いく心が痛む結末。

でも語り手が岡田将生さんなので

そのなかにもどこか柔らかな温かさが

あって ただ悲しいだけの

物語ではなかったです。

家族もそれぞれ大切に思っている

のが伝わりました。


役者さんって本当に凄い!

舞台はやっぱり張りつめた緊張感が

久しぶりに心地良かった!



そして、今日は幕間でも

話をされている方もいなくて

規制退場も守られていました。


明日がこの舞台の大千秋楽。


無事に完走できるようにと

観客の方の気持ちも伝わりました。